ゲート4: データ保護
ランサムウェア対策のデータ保護ゲート、機密ディレクトリをNTFS ACLで保護するファイルアクセスポリシー

対象: 多層のKeeper EPMランサムウェア対策ベースラインを展開するWindows管理者向けです。
多層ランサムウェア対策モデルの概要と、このゲートの位置づけはランサムウェア対策ポリシーをご参照ください。
本ポリシーは、Windows上で多層展開するKeeper EPMランサムウェア対策におけるデータ保護ゲートです。他の3ゲートが実行、昇格、復旧手段の破壊を止めるのに対し、本ゲートはデータ自体を保護します。ファイルアクセスポリシーは保護ディレクトリのNTFS ACLを変更し、ポリシーコントロール (承認、MFA、正当な理由の入力) を満たさない限りREAD、WRITE、DELETEを拒否します。保護はOS自体が強制するため、ユーザーのフルトークンで動作するランサムウェア暗号化プロセスでも、保護ディレクトリ内のファイルを上書き・削除できません。Windowsがファイルシステム層でI/Oを拒否します。
最後の防衛線です。ゲート1〜3がすべて失敗し、ランサムウェアが暗号化を開始しても、本ゲートがデータを保全します。
手順: ポリシーの作成
保護するディレクトリの特定
すべてのディレクトリを保護する必要はありません。広すぎる保護は摩擦だけを増やし、便益に見合いません。喪失が重大インシデントに相当するディレクトリに絞ります。
財務・会計共有のルート (総勘定、売掛/買掛の作業ファイル、給与エクスポート)
開発者エンドポイント上のソースコードリポジトリ (
C:\repos、C:\src、C:\dev)役員共有と取締役会資料
HRデータ (従業員記録、福利厚生、評価資料)
リーガルホールドと訴訟関連ディレクトリ
バックアップステージングディレクトリ (オフホスト先へ書き込む前)
エンジニアリング文書、IP、設計ファイル
顧客データエクスポートとCRM作業ファイル
ドライブ全体やユーザープロファイルルートは保護しないでください。広すぎる保護は承認トラフィックを過剰にし、ユーザーが内容を読まずにクリックする習慣を助長します。本当に重要なディレクトリに絞ることで、運用負荷を抑えつつ意味のある統制になります。
アプリケーションコレクションの作成
ディレクトリ向けファイルアクセスポリシーのアプリケーションコレクションは、実行ファイルコレクションとは別パターンです。各エントリはファイル名ではなくディレクトリパスです。必要に応じてパス変数 ({userprofile}、{public} など) を使いますが、データ保護の多くはリテラルパスです。
Keeper管理コンソールで [エンドポイント特権マネージャー] → [コレクション] → [アプリケーション] に移動します。
[新しいコレクション] をクリックします。
[新しいコレクション] モーダルで以下を設定します。
タイプ:
Applications名前:
Protected Data Directories (Windows)[次へ] をクリックします。

[コレクションへのアイテム追加] モーダルで [リソースを手動で定義する] にチェックを入れます。
保護ディレクトリをカスタムリソースとして追加します。例:
C:\FinanceC:\Legal\LitigationHoldC:\reposC:\ExecutiveC:\HR\Records

環境に合わせてパスを調整してください。 ユーザーエンドポイントでドライブレターにマップされたネットワーク共有は、ユーザーが見るマップ済みパス (例:
S:\Finance) を使います。
コレクション保存時にコレクションのUIDを控えてください。

非実行パスへのファイルアクセスポリシー適用はネイティブNTFS ACLを使います。Keeperは保護パス上の対象ユーザー向けに明示的なDENY ACEを追加します。ユーザーがアクセスを要求しポリシーコントロールを満たすと、ACEを変更して付与期間中の読み書きを許可します。保護はWindows自体が強制するため、ランサムウェアプロセスがユーザーのフルトークンを持っていても有効です。
保存とパイロット
[保存] をクリックします。ポリシーは約30分以内に適用範囲内のすべてのエンドポイントへ配布されます。
少なくとも1週間監視モードで運用します。監査ログで通常のアクセスパターンを把握します。
各保護ディレクトリにルーティンでアクセスするユーザーは誰か
適用モードでは承認トラフィックはどの程度になるか
除外が必要な正当な自動プロセス (バックアップエージェント、インデックスサービス) はあるか
正当な自動化向けの除外ポリシーを整備します。最も一般的な例は、エンタープライズバックアップソフト (Veeam、CommVault、Backup Exec) が保護ディレクトリへの読み取りを必要とする場合で、バックアップサービスアカウント向けの許可ポリシーを作成します。
監視データを把握し除外が整ったら、[ステータス] を
Enforceに変更します。NTFS ACLの変更は約30分以内に適用され、承認済みリクエストなしのアクセス試行はOS層で拒否されます。
参考: ポリシーJSON
以下は完成したポリシーのエクスポート形式です。<generated-policy-uid> と <uid-of-Protected-Data-Directories-collection> のプレースホルダーは、管理コンソールでポリシーとコレクションを作成すると自動で埋まります。
本ゲートの重要性
最初の3ゲートは、ランサムウェアが被害を与える前に止めることを目的とします。本ゲートは、予防的統制に完璧はなく、失敗の結果がデータ喪失であるため存在します。最悪のケースでランサムウェアが実行ゲートをすり抜け、何らかの形で管理者権限を得て、シャドウコピーとバックアップの削除に成功しても、暗号化プロセスはファイルシステムへの書き込みが必要です。Keeper EPMのACL変更によりOSが書き込みを拒否します。
多層防御の価値はここにあります。各ゲートが攻撃者の作業を難しくし、最後のゲートは他の防御がすべて失敗しても攻撃のペイロードを無力化します。
最終更新





