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エンドポイント特権マネージャー 2.0

自律型AIガバナンスと自動エージェントアップデート

概要

Keeperエンドポイント特権マネージャー (KEPM) は、特権適用の対象をAIエージェントという新しい主体へ拡張します。コーディングアシスタントや自律型AIエージェントはエンドポイント上で動作し、ユーザーに代わってさまざまな操作を実行したり、独自に特権昇格を要求したりします。しかし、従来の特権管理ソリューションでは、こうしたAIエージェントの活動を十分に可視化できませんでした。

EPMは、AIエージェントを既存のユーザーと同様のポリシーおよび監査モデルの下で管理できるようにします。KEPMは、既知のAIツールだけでなく、類似した未知のエージェントも検出し、それぞれに検証可能なアイデンティティを付与します。さらに、エージェントの行動を監視し、実行する操作のリスクを評価するとともに、3種類の新しいポリシーによって管理・統制を行います。また、本リリースではエンドポイント資産の可視化機能も強化されました。サービスやスケジュールタスクのインベントリ管理、CVEに基づく脆弱性検出が利用可能になります。さらに、自動エージェントアップデート機能を追加し、バージョン固定にも対応しました。これにより、管理者による再インストール作業を必要とせず、エージェントを最新の状態に維持できます。

Keeper EPMエージェントの新機能

AIエージェントガバナンスのポリシータイプ

  • KPAM-2006: 管理コンソールからAIエージェントを直接管理できる3種類の新しいポリシーを追加しました。ユーザー向けポリシーと同様に、自動承認自動拒否MFA理由入力管理者承認エンドユーザー承認などの制御を適用できます。

    • Agentic AI (自律型AI) — AIエージェントの実行を許可するユーザーや環境を制御します。

    • Agentic Access (自律型アクセス) — AIエージェントがユーザーの代理として実行できる操作を制御します。機密ファイルへのアクセス、実行ファイルの起動、コマンド実行などの権限を管理できます。

    • Agentic Privilege Elevation (自律型特権昇格) — AIエージェントによる管理者権限昇格の要求を制御します。

  • 各ポリシーは、オフ、モニター、モニターと通知、適用のライフサイクルに対応しています。デフォルトではモニターモードに設定されており、ポリシーを強制適用する前にAIエージェントの活動状況を確認できます。また、ポリシーで人による承認が必要と設定されている場合、エンドユーザーに承認ダイアログが表示され、AIエージェントの要求を許可または拒否してから処理が実行されます。

既知のAIエージェント検出

  • KPAM-1777: KEPMは、GitHub Copilot、Cursor、Claude Code、Tabnine、Codeium、Amazon Qなどの既知のAIエージェントを検出し、識別できるようになりました。プロセスの起動後60秒以内に、プロセス名、実行パス、発行元証明書、ネットワークフィンガープリントを含む署名付きレジストリを利用してエージェントを特定します。検出されたAIエージェントは、管理コンソール上でエンドポイント単位・ユーザー単位のインベントリとして表示され、組織内で利用されているAIツールの状況を可視化できます。また、検出したエージェントの証明書情報がレジストリ内の情報と一致しない場合は、なりすましの可能性があるとして警告を発します。これにより、正規のAIツールを装った不正なプログラムの検出を支援します。

「候補」AIエージェント検出

  • KPAM-1779: 既知のAIエージェントレジストリに登録されていないカスタムツール、ラッパーアプリケーション、新しいサードパーティ製AIエージェントに対して、振る舞いベースのヒューリスティック分析エンジンによる検出機能を追加しました。この機能は、以下のようなAIエージェント特有の挙動を分析し、AIエージェントである可能性を評価します。

    • LLM APIとの通信

    • モデルファイルへのアクセス

    • AIエージェントフレームワークの署名

    • ツール実行に伴うサブプロセスの連鎖

    • 認証情報へのアクセス

    検出されたプロセスには、0~100の信頼度スコアが付与されるほか、低・中・高のリスクレベルで分類されます。管理者は、誤検知と判断したプロセスを除外したり、除外リストを管理したりできるほか、高い信頼度で検出されたAIエージェントを既知のエージェントレジストリへ登録して、今後は既知のAIエージェントとして管理することも可能です。

AIエージェントのアイデンティティ管理

  • KPAM-1694: 検出された各AIエージェントに対して、起動したユーザーとは独立した検証可能なアイデンティティを付与できるようになりました。このアイデンティティには、エージェントの利用目的、許可されたツール、利用期限などの情報が含まれます。また、使用中のモデルバージョンとコードハッシュに紐付けられているため、いずれかが変更された場合はアイデンティティが無効になります。さらに、失効したアイデンティティを持つAIエージェントは即座にブロックされ、不正または未承認の実行を防止します。

AIエージェントの動作監視とドリフト検出

  • KPAM-1696: KEPMがAIエージェントの動作をリアルタイムで監視し、実行内容のトレースを記録できるようになりました。エージェントの振る舞いが、あらかじめ定義されたベースラインから設定可能なしきい値を超えて逸脱した場合、KEPMはアラートを生成します。また、実行中のエージェントの即時停止機能を搭載し、管理者が手動で停止できるほか、しきい値超過時に自動的に実行中のAIエージェントを停止させることも可能です。

AIエージェントの可観測性

  • KPAM-1702: セキュリティチームはエージェントの活動を詳細に可視化できるようになりました。プロンプトおよび応答内容 (機密情報は自動的にマスキング)、ツールの実行履歴、データアクセスイベント、リクエストごとのモデルバージョンが監査対象になります。また、実行トレースは改ざん検知機能を備えた形式で保存され、後から再生して確認することが可能です。保存期間は組織のポリシーに応じて柔軟に設定できます。

AIリスクスコアリング

  • KPAM-1780: AIエージェントによるすべての操作に対して、0~100の総合リスクスコアを付与するようになりました。リスクスコアは、権限レベル、機密リソースへのアクセス、行動ドリフト、プロセス系統、外部脅威インテリジェンスなどの重み付けされたシグナルに基づいて算出されます。スコアは、AIエージェント単位および導入環境単位の傾向分析にも集約されます。また、低から重大までのしきい値帯域を設定でき、アラート、承認ゲート、即時停止などの対応を自動的に実行できます。

さらに、スコアには以下の情報を付加できます。

  • MITRE ATLASの攻撃手法マッピング

  • NIST AI RMF (AIリスク管理フレームワーク) 参照情報

  • STIX/TAXII脅威インテリジェンスフィード (オプション)

AIガバナンスとコンプライアンス

  • KPAM-1703: AI行動ポリシーを、標準のKEPMポリシーパイプラインを通じてバージョン管理および展開できるようになりました。高リスクの操作には人による承認が必要となり、承認者の判断はログに記録されます。また、AIエージェントの操作、ポリシー判定、およびコンプライアンスイベントを記録する専用のAI監査証跡を提供します。さらに、コンプライアンスビューでは、各管理策をEU AI ActおよびNIST AI RMFの要件に対応付けて確認できます。

自動更新とバージョン固定

  • KPAM-1352: KEPMエージェントおよびプラグインを自動的に最新状態へ維持できるようになりました。管理者はコンポーネントごとに、最新リリースまたは固定バージョンを指定でき、各エンドポイントは指定されたバージョンへ自動的に収束します。アップデートパッケージはインストール前に整合性および電子署名の検証が行われます。また、不安定なアップデートが検出された場合は、最後に正常動作が確認されたバージョンへ自動的にロールバックされます。エンドユーザーは、管理者が設定した期間内であれば、重要度の低いアップデートを延期できます。さらに、管理コンソールに新しい更新ページを追加しました。このページでは、組織内の各コンポーネントについて、現在のバージョンと適用対象バージョンを確認できます。また、Keeperエージェントに新しいバージョン情報ダイアログを追加し、エンドユーザーがインストール済みバージョンを確認できるようになりました。

コアエンドポイントテレメトリ

  • KPAM-1670: プロセス系譜、スクリプト実行 (PowerShell、Bash、Python)、AIエージェント実行記録を主要セキュリティイベントとして取得する基盤テレメトリパイプラインを追加。本リリースのAIエージェントの検出、監視、リスク評価機能を支えるデータ基盤として機能します。

脆弱な実行ファイルおよびモジュールの検出

  • KPAM-1990: 既知の脆弱性を含む実行ファイルおよびロード済みモジュールを検出し、その重大度情報とともに表示できるようになりました。表示される情報にはCVSSスコア、CISA KEVステータス、EPSS評価が含まれます。照合処理はエンドポイント上でローカルに実行され、署名付きの公開カタログを利用します。このカタログは毎日更新され、CVE List V5、CISA KEV、EPSSに基づいています。

    照合結果はお客様の暗号鍵で暗号化されて送信されるため、Keeperが結果を復号することはありません。また、KEVステータスやCVSSしきい値に基づき、脆弱なソフトウェアの起動をブロックしたり、アップグレードを必須としたりするポリシーを作成できます。

サービスインベントリ

  • KPAM-50: KEPMは、エンドポイント上のシステムサービス (Windowsサービス、Linuxのsystemdユニット、macOSのlaunchdデーモン) のリアルタイムインベントリを維持するようになりました。各サービスについて、サービス名、実行ファイルパス、起動タイプ、状態、実行アカウントなどの情報を収集します。また、サービスのインストール、削除、および状態変更イベントは監査対象となります。この機能は、永続的なバックグラウンドサービスとして実行されるAIエージェントの検出にも活用されます。

スケジュールタスクインベントリ

  • KPAM-51: KEPMは、スケジュールタスク (Windows Task Scheduler、Linuxのcronおよびsystemd timer、macOSのlaunchd agent) のリアルタイムインベントリを維持するようになりました。

    各タスクについて、パス、トリガー、スケジュール、実行時刻、実行アカウントなどの情報を収集します。また、タスクの作成、変更、削除、および実行イベントは監査対象となります。この機能は、永続化されたAIエージェントや、スケジュールに基づいて自律的に実行されるAIエージェントの検出にも活用されます。

Keeper管理コンソールの新機能

ダッシュボードの再設計

  • KEPMダッシュボードに、未処理のリクエスト、本日の高リスクイベント、登録済み管理対象エンドポイント、高リスクAIアイデンティティ、管理不備のAIエージェント、最小権限ポリシー未適用などの重要な情報をひと目で確認できるウィジェットが追加されました。ポリシーアクティビティパネルでは、許可、MFAまたは理由入力待ち、拒否、承認待ちなどの、ポリシー判定の内訳を確認できるようになりました。また、最も多く適用されたポリシーも表示され、ポリシー運用状況を把握しやすくなりました。

イベントタブ

  • 専用のイベントタブでは、本日のイベント件数、承認待ちのエージェント数、最小権限ポリシー適用中のAIエージェント数に加え、イベントタイプ、対象、ユーザー、ステータス、時間で絞り込み可能な最近のイベント一覧を表示します。これにより、AIエージェントやポリシー関連イベントを一元的に確認・分析できます。

自律型AIコレクション

  • コレクションに自律型AIタイプを追加しました。これにより、既存ポリシーでアプリケーション、マシン、ユーザーのコレクションを対象にできるのと同じように、新しいエージェント系ポリシータイプでAIエージェントを対象にできるようになりました。

新しいポリシー制御とフィルター

  • ポリシーエディターに拡張制御 (自動承認、自動拒否、MFA、理由入力、管理者承認、エンドユーザー承認、人による承認) が追加されました。また、ポリシー一覧は、制御タイプ、コレクション、マシンで絞り込み可能になりました。


お客様から報告された不具合の解消

本リリースでは、現場でお客様から報告された不具合も修正しています。

  • KPAM-2064 — keepersudoでのパイプ付きコマンド実行 (Linux): echo "..." | keepersudo tee <file> のように、パイプを使用したコマンドを keepersudo 経由で実行した際、理由入力のプロンプトが表示されず、直接パスワード入力に進んだ後、コマンドの出力がファイルに書き込まれない不具合を修正しました。パイプやコマンドチェーンを含むコマンドでも、設定されたコマンドラインポリシー制御 (理由入力、MFA、承認) が正しく適用され、期待どおりに実行されるようになりました。

  • KPAM-2017 — AutoCADインストーラーの権限昇格 (Windows): AutoCADのインストール時に権限昇格が正しく完了しない不具合を解消しました。権限昇格ポリシー適用時でも、権限昇格が正しく実行され、インストーラーが正常に完了するようになりました。


安定性向上と堅牢化

本リリースでは、Windows、macOS、Linuxの各プラットフォームにおいて、安定性、ポリシー適用精度、およびプラットフォームの堅牢性を幅広く改善しました。

  • インストール、アップグレード、登録 — 初回登録および再登録の信頼性を向上させました。また、アップグレード時の設定処理を改善し、登録ダイアログの表示をより分かりやすくしました。

  • ポリシー適用の精度向上 — 直接実行、ショートカット経由、エージェントによる実行など、さまざまな起動経路における権限昇格およびアプリケーション起動の動作を修正しました。PowerShellでのMFA付き権限昇格、拒否および最小特権の適用、アプリケーションコレクションとの照合、ポリシー評価タイミングなどの精度を改善しています。

  • ファイルアクセス許可の処理改善 — ファイルアクセス許可が有効期間中は正しく維持されるようになりました。また、同期時に予期せず再承認を求められたり、アクセス許可が取り消されたりする不具合を修正しました。

  • エージェントの安定性とセッション管理 — 重複したエージェントプロセスやウィンドウが生成される問題を解消しました。また、複数セッション環境での起動、クラッシュ耐性、ウォッチドッグによる復旧、スリープ復帰後の動作を改善しました。

  • UI、ローカライズ、通知 — ダイアログサイズやキャプション表示に関する不具合を修正しました。また、表示スケールやトレイアイコン表示を改善し、承認通知が正しいユーザーセッションへ配信されるようになりました。

  • インベントリおよびテレメトリ — エンドポイントステータス報告の精度向上、マルチバイト文字を含むユーザー名の解決、アプリケーションバンドルパスの検証、起動時のオーバーヘッド削減、および監査詳細情報の改善を行いました。


リソース

最終更新