アクセス制御
KeeperPAMポリシーを通じてPAMリソースへのアクセスを提供

概要
KeeperPAMにおけるリソースおよび機能へのアクセスは、複数のポリシーと構成設定による多層的な制御に基づいた、堅牢なクラウドベースのアクセス制御プレーンによって管理されます。デバイスやゲートウェイには特定の権限が割り当てられ、それによってボールトから割り当てられたデータへのアクセスおよび復号が可能になります。KeeperPAMの管理権限を持つユーザーは、管理対象リソースに対して柔軟にアクセス権を割り当てることができ、組織のニーズに応じて永続的・時間制限付き・ジャストインタイム(JIT)アクセスが設定可能です。
導入の計画
KeeperPAMを活用するためには、Keeper管理コンソール内に専用のサービスアカウントユーザーを作成することを推奨します。このアカウントは、アプリケーション、共有フォルダ、ゲートウェイ、リソースおよびそれらに関連する権限とアクセス権の作成・管理を担当します。
ボルトKSMアプリケーションの共有
[シークレットマネージャー] > [アプリケーション] > [編集] に移動し、アプリケーション、デバイス、ゲートウェイの管理を必要とする管理者を選択します。
アプリケーション管理者: アプリケーションフォルダ、ユーザー、すべてのデバイスおよびゲートウェイの管理が可能
アプリケーション閲覧者: アプリケーションおよびゲートウェイの閲覧と使用が可能

Keeperコマンダー
Keeperコマンダー CLIおよびSDKでアプリケーションの共有および共有解除に対応しています。
詳細については、secrets-manager app shareコマンドをご参照ください。
ロール単位の強制適用ポリシー
強制適用ポリシーは、ユーザーのロールに関連付けられる全体的な権限を決定します。ロールには管理者権限を持たせることも、割り当てられたリソースの利用のみに制限することもできます。
管理コンソールで [管理者] > [ロール] に移動します。
新しいロールを作成するか、既存のロールを編集します。
[強制適用ポリシー] をクリックして、[特権アクセス管理] タブに進みます。



管理コンソールのノード、ロール、権限について、詳しくはエンタープライズガイドをご参照ください。
PAM構成設定
PAM構成は、PAMレコードに対する「ペアレンタルコントロール」のような役割を果たします。この構成を使用するすべてのリソースに対して、特定のPAM機能を有効または無効にすることができます。

PAM構成についてはこちらのページをご参照ください。
アプリケーションおよびデバイスのアクセス制御
管理者がアプリケーションを作成する際、そのアプリケーションに関連付けられたデバイスやゲートウェイに対して、特定の共有フォルダへのアクセス権とレコード権限を割り当てます。これにより、Keeperボルトと連携するゲートウェイやデバイスに対して、アクセスを適切に制御できます。アプリケーションとゲートウェイの両方で権限を管理することで、セキュリティがさらに強化されます。

複数のアプリケーションを、異なる権限レベルで1つの共有フォルダに関連付けることができます。

デバイスおよびゲートウェイのIPロック
WindowsまたはLinuxベースのインストール方法で新しいデバイスやゲートウェイを作成する際、Keeperは初回アクセス時にIPロックを適用するオプションを選択できます。この追加のセキュリティ対策は、既存のデバイス認可モデルにさらに一層の保護を加えるものです。

PAMリソースの共有と権限管理
Keeperはゼロ知識プラットフォームとして、強力な暗号化に基づいた安全な共有技術を通じて、リソース単位のアクセス制御を実現しています。リソースへのアクセスは、ポリシー (RBACやABAC) による制御に加えて、暗号化によっても保護されています。ユーザーがリソースへアクセスするには、そのリソースに対応するレコードをボルト内で復号できる必要があります。復号プロセスが完了すると、ユーザーは対象システムへのゼロトラスト接続を確立するか、あるいは単にシークレットにアクセスすることが可能になります。
Keeperボルト内では、共有フォルダでKeeperPAMで管理されるリソースへのアクセスを制御します。リソースは、他のKeeperレコードと同様に共有フォルダ内に配置することができます。
共有フォルダには、以下のようなPAMリソースが含まれます。
PAMマシン
PAMデータベース
PAMディレクトリ
PAMリモートブラウザ
PAMユーザー
最小権限の原則を確保するために、PAMユーザーを別の共有フォルダに分けて配置するようにしましょう。これにより、ユーザーやデバイスが機密情報にアクセスできる範囲を制限できます。
クイックスタートサンドボックスを起動する場合やゲートウェイウィザードを使用する場合、リソースとユーザーは自動的に別々の共有フォルダに分けて配置します。
以下のデモ環境では、DevOpsチーム (Team DevOps) にはフルアクセスを付与し、開発チーム (Team Developers) にはリソースの閲覧と使用のみに制限しています。

この事例では、「Users」フォルダへのアクセス権があるのはDevOpsチーム (Team DevOps) のみです。 開発チーム (Team Developers) はこれらの認証情報にアクセスできないよう制限されています。

レコードレベルの権限
共有フォルダ内のリソースレベルの権限によって、メンバーはレコードの編集や共有を制限されます。ただし、閲覧のみのアクセス権しか持たないユーザーでも、そのロールで許可されている場合なら、セッションの起動などのPAM機能は使用できます。

最小権限アクセスを確保するためには、共有フォルダ内のレコードレベルの権限を「閲覧のみ」に制限することを推奨します。アプリケーションやゲートウェイの構築を担当するKeeperのサービスアカウントユーザーのみが、完全な管理権限を持つべきです。
リソースの直接共有
レコードは、個別のユーザーに対して永続的または時間制限付きで共有することができます。
個別のレコードを共有するには、[共有] をクリックし、対象のユーザーを選択します。リソースへの「閲覧のみ」アクセスを付与すると、共有相手は認証情報にアクセスすることなく、対象の接続やトンネルを起動することが可能になります。

ユーザーには、リソースに対して永続アクセス (スタンディングアクセス) または時間制限付きアクセスを割り当てることができます。

チームレベルの権限
管理コンソールでは、特定のチームに割り当てられた共有フォルダを通じて提供されたレコードに対して、そのチームが編集や再共有できないよう制限をかけることができます。この設定は、あくまで特定のチームに割り当てられた共有フォルダに対してのみ適用され、環境全体にわたって一貫したアクセス制御を実現します。

共有管理者権限
Keeperボルト内のリソースやレコードの所有権や権限の管理は、「共有管理者」権限を使って他のKeeper管理者に委任することができます。
「共有管理者」機能について、詳しくはこちらのページをご参照ください。

レコードのリンク
認証情報を含むPAMユーザーレコードは、PAMリソースに「リンク」することができます。ただし、PAMリソースのレコードを他のユーザーと共有しても、リンクされた認証情報が自動的に共有されることはありません。これにより、「閲覧のみ」のアクセス権を持つ共有相手は、実際の認証情報にアクセスすることなく、ゼロトラスト接続を起動することが可能になります。
リソースを「閲覧のみ」で共有されたユーザーは、そのリソースへの接続やトンネルの起動はできますが、認証情報そのものを見ることはできません。
Keeperのゼロトラストアーキテクチャは、認証情報を共有することなくターゲットシステムへのアクセスを可能にし、最小権限アクセスを実現します。
以下の例では、PAMデータベースが特定のユーザーsqluserにリンクされています。このアカウントを使ったデータベース接続は、実際の認証情報にアクセスできないユーザーでも利用可能です。

こちらは、秘密鍵を共有せずにLinuxマシンへのSSHアクセスを付与する例です。

時間制限付きアクセス
フォルダおよびレコードへのアクセスは、永続的にも時間制限付きにも設定できます。

リソースへのアクセスは、特定の日時に取り消すことができます。

アクセスの取り消し
ユーザーを共有フォルダから削除するか、リソースの直接共有から削除すると、そのユーザーによるアクティブなセッションやトンネルは即座に切断されます。
共有フォルダからユーザーを削除する手順
対象の共有フォルダを選択します。
編集ボタンをクリックし、[ユーザー] タブから該当のユーザーまたはチームを削除します。
[保存] をクリックします。
個別のリソースからユーザーを削除する手順
対象のレコードを選択します。
[共有] をクリックします。
共有設定から該当のユーザーを削除します。
この操作により、不要なアクセスを即時に遮断し、セキュリティを保つことができます。

[すべての共有レコードからXXXを削除] を選択すると、そのユーザーのすべてのリソースへのアクセスが取り消され、アクティブなセッションやトンネルもすべて即座に終了します。
共有の失効後の自動ローテーション
PAMユーザーの認証情報を他のユーザーと共有する必要がある事例では、共有の有効期限が切れた後に認証情報を自動的にローテーションするオプションを利用できます。これにより、セキュリティを維持しながら一時的な共有が可能になります。

最終更新

